第一回市民福祉セミナー

誠信会の中堅職員の発案で、今回初めて「市民福祉セミナー」を開催いたしました。

テーマは「福祉を身近に感じよう」

今日は、簡単ではございますが、先日行われましたセミナーの様子をお伝えします。 

今回は、初めての人にも福祉を理解してもらおうということで、児童・介護・障害部門から3人の職員がパネラーとなり、福祉への想い・仕事としての福祉への想いをお話ししていただきました。その後、コーディネーターがさらに掘り下げた形で進めていきました。

 

 パネラー  ★障害部門   そびな寮 サービス管理責任者  後藤新平

         ★児童部門  誠信少年少女の家 心理士  小川亜由美

         ★介護部門  デイサービスセンター ふじみ台 

                                                                  サービス提供管理者 石川由佳子

コーディネーター

      ★地域生活支援センター せふりー 主任 田代篤                

まず初めに、障害部門から後藤さんの報告でした。 

「障がいとは・・?」

自分の障害を困難さは本人にとっては当たり前であるもの。

まわりにとって「障がい」という言葉が、逆に障壁になっているのではないか? 

「現在働いているそびな寮って?」

自立と就労を目指して生活している場所である。 

「実際働いてみて・・」

お話ができないご利用者様・・支援者として「伝える」ことと、ご利用者様が「理解されているか」わからないところが難しい。 

皆さんの生活をよりよくしたいが、50名のご利用定員の入所の施設ひとりひとりの思いに応えられないことが大変。

離職も考えるが、利用者さんの穏やかな笑顔と行動がうれしくなり、やりがいに感じている。

 「働く希望とは・・・」

現在勤務しているそびな寮では、

自立と地域移行・・一緒に学びながら、生活ができている充実感。 

本人を支える支援の輪→ひとりでは背負い込まない。みんなで支えている。 

社会的なニーズはたくさんあると感じている。仕事全般に言える事だが、やりがいが喜びに変えられると大変な仕事でもがんばれている。

 

次は、児童養護施設の心理士として活躍されている小川さん。 

 

「児童養護施設されていう児童とは・・」

児童養護施設とは?児童福祉法41条に定められている児童養護施設の説明。

狩野川台風の始まり・・親のいない子供達からはじまった。

現在は親元で生活できない児童が増えてきている。 

社会的な背景から対人関係が気づきにくいお子さんが増えている。

時代と共にこどもたちの問題が変化・・ 

「グループ心理治療へのプロセス」

人には「パーソナルスペース」がある。

その「パーソナルスペース」をしっかりと受け止め、理解することで、相手への共感が高められていく。

実際の取組として、支援者とダンボールで作った「パーソナルスペース」の中で、安心感や楽しさをわかちあったり、気持ちアルバムを作成して、自分の表現を大切にしている。

声をだして笑い転げる→お互いに楽しい時間を過ごすことはできる

気持ちについて話し合うことで、お互いに確認しあえる。 

「働くうえで大切にしていることは・・」

こどもたちの笑顔がたえない生活を一緒に創っていきたい。 

 

最後に、ふじみ台デイサービスセンター石川由佳子さん

当初は、デイサービスセンターかたくらの生活相談員 石川涼子さんでしたが、

体調不良で急きょ、石川さんが代理をしてくれました。 

「かたくら明和園」

富士楽寿園のサテライト施設である。

富士市の指定の為、富士市内の人しか入所できない。

「デイサービスセンターかたくら」

認知症と診断を受けた人が対象で、12名の利用定員である。

 「認知症・・」

認知症=特別な病気 ではない。

広くテレビなどで知らされているが、実際、自分がその場に直面しないと深い理解はできにくいのが本当のところ・・。

2025年には450万人となる。

特効薬がない。

脳血管疾患で脳の神経細胞が壊れてしまう。 

「どんな症状??」

記憶障害 ・・ごはんをたべていないよう、財布を盗まれた

見当識障害・・何枚もセーターを着て、い」と

       物事が計画通りに進まない

読み書き計算・・掛け算・割り算が難しい

心理症状・・不安・幻覚

行動障害・・俳諧・攻撃性行為・異食・

等など・・。

 

「専門的なケアのポイント!」

生活の不自由さしにくさが出てきている。

認知症の人は「特別な人」ではない。

認知症になっても、元来の残存機能はある。利用者が主役である。

認知症になってもなじみのある人や環境がとても大切である。

自然と地域が大切。

おうちでの掃除き・干し柿・料理・夕方になるとごはんづくり

日常の生活をデイサービスの中に取り入れている。

「気づき」が大切である。

しぐさ・行動・目の動きを察知をして、利用者さんの「今」を一緒に見守りながら、支援をしていく。

生活の中の一部にしてほしい。=「第2の我が家」を目指していく。

 

 

第二部として、コーディネーターの田代主任とパネラーの皆さんとのより身近に感じてもらえるセッションがありました。

田代:「コミュニケーションで大切にしていることは?」

後藤:会話できる方が少ない。「ことば」の代わりにより多くかかわること、そして、その人にあったコミュニケーション(例:目と目のコミュニケーションが苦手という方もいらっしゃる)方法を見つけて対応している

小川:一番大切「表情」「雰囲気」・・あら今日は何かが違う?その時に応じた声掛けをしていく。

石川:「気づき」認知症の方ではそばにいてくれるだけで安心する距離感。 70%は心のつながり。  

田代:「やりがい」を教えてください。

後藤:ひとによって違う。自己満足かもしれないが、ご利用者様が「つらい」サインに気づくことが出来て、対応していく際、ご利用者様がみせてくれた表情である。

自分は、純粋のほうではないが・・。私自身が仕事をして、気持ちが丸くなったと自分の中で変化を感じている。

田代:人並み以下の「やさしさ」が人並み「やさしさ」になったってこと(笑)

小川:笑顔・・職員間やみんなが笑顔でいてくれること

      いろいろなことを教えてもらって、自分自身が豊かになっていけること。他の仕事をシテイタラ・・と考えた時、今の仕事に感謝(^o^)

いろいろあるけど、まっいいか?と思って頑張っている。

石川:高齢者はいつ何時・・だから、今を大切に頑張っている。人は一人で生きてい

くことができない。今は大変だけど、心のゆとりを持てた時がいいなと思ってや

っている。

 

田代:時間的な要素から途中でリタイヤしてしまう人が多いと思いますが、ベテランの石川さんはどのようにしてやっているのか?

石川:とにかく前に向かっていく!マイナスに考えたことがない。そして、自分を追いやる。朝の深呼吸をして、仕事に向かう。おすすめである。

田代:会場の皆さんからの質問について答えていきます。

まずは「パーソナルスペース」について 

小川:人には自分が守られているスペースがある。そのスペースが「パーソナルスペース」という。 

田代:「認知症の対策」として、国・法人の進んでいる方向性を教えてください。

石川:厚労省は、施設・病院ではなく、地域包括支援ケアを推進しています。24時間支えていく。隣近所のつながりが希薄になってきている。隣組でその方を支えあっていく。「顔のみえる近所付き合い」・・なかなか富士市では厳しい。  

また一人暮らしの方が増えてきている。

「おせっかいおじさんおせっかいおばさん」・・ごみを捨てないなどとしておこってくれた人」等一般市民同士のかかわりが大切になっている。 

田代:では、最後に地域とのかかわりについて、教えてください。

後藤:地域とのかかわりが多い。

   町内会のたいやきをしている。地域の祭りに参加している。希望が丘のどんど焼き・

   夏祭り・・地域の輪を大切にして、一員として認められている。

 

小川:地域の方の理解・町内会のお祭りをしていく。また、2月に地域連携促進事業に開催予定。12月にも同様の事業でベビーマッサージを行い、大反響であった。

   お知り合いの方ぜひどうぞ。

 

田代:今回一回目という事で、いろいろ課題も出てきたので、ぜひ、第二回目も開催できるようしていきたい。ありがとうございました。

黒崎課長(写真左)田代コーディネーター(写真左)

 

企画のメンバーであり、参加者でもあった黒崎課長の所感です。

誠信会では、共生社会を作っていく社会的役割を担い、継続した様々な取り組みがなされています。今回のセミナーは、その取り組みの一つとして意義ある一歩を踏み出したのではないでしょうか。

共に生きていくということを考える機会として、また今回は私たち福祉に携わるものがどのような気持ちで日々関わっているのか、率直な意見が聞かれ、出席者間で共有できたのではないかと思います。一方で、参加者のターゲットをどこに置くかで、セミナーの内容も大きく変動するなどの課題も見えたのではないかと思います。

今後とも課題を明確にし、反省点は次回に活かす作業を重ね、より良いセミナー運営を継続できればと考えます。記事に〝good〟してね (^_-)-☆
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